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恐山菩提寺

青森県むつ市の恐山です。去年から、誕生日(前後)になると日本三大霊山の恐山に死を感じに行くことにしました。

死を感じにと言っても恐山は魂が集まるところなので墓とかがあるわけではないのですが、まぁ、雰囲気を楽しもうというだけです。あんまり深い意味はありません。すみません。

イタコはいないぞ恐山

蓮華庵のカレー

恐山までのアクセス方法は去年同様、名古屋から東京までを夜行バスで過ごし、東京からは東北新幹線、青い森鉄道、下北交通バスで向かう方法です。あいかわらず東北新幹線が混んでいて、2年連続で立ち乗りでした。ほとんど始発の時間帯なのに。どうしてこんなに混んでいるのか、謎です。

東京を6時に出ても恐山到着は12時頃になるので、恐山入り口近くにある食堂、蓮華庵でランチ。去年は山菜うどんだったので、今年はカレーにしました。味は普通のレトルトカレーです(笑)

恐山メインストリート

入山料500円を払って境内へ。恐山と言えばイタコですが、残念ながらイタコがいるのは恐山大祭(7月20日〜7月24日)と、恐山秋詣り(10月上旬)の年2回だけです。普段からいるわけではないので要注意。しかもイタコは大人気なので、日時を合わせて行っても長蛇の列ができていて、会えないこともあるんだとか。

恐山薬師堂

正面にあるのが薬師堂。左手に有名なあの恐山の地獄の景色が広がるわけです。そういえば、恐山ではドローンが禁止されていましたが、今年は新たにポケモンGOも禁止事項になったそうです。もともとここらは圏外なのでプレイできないと思いますが。ポケモンGO禁止に関しては、恐山住職(代理)の方の公式ブログで、わりと本気でキレてました。気になる方は探して読んでみてください。個人的には、カラカラとか出現させるくらいの寛容さがあっても良いかなと思いました。

風車と地蔵

風車は今日も元気よく回ってました。ちなみに風車は、恐山の売店で購入可能です。自分は風車は買いませんでしたが、恐山Tシャツは買いました。

恐山の地獄のような風景の中、死を見つめる

恐山の険しい景色

今年も来たよ恐山。この途方もない景色と、荒々しい岩肌が大好きです。無骨っぷりがなんとも男らしい。

岩肌

牡蠣みたいな岩肌が、非現実感を味あわせてくれます。どうして岩がこんなことになっているのかと言うと、恐山が火山だからです。噴火の記録はありませんが、未だに各所で火山ガスが吹き出しています。硫黄臭いです。いわゆる、卵を腐らせた匂いがします。実際にその匂いを嗅いだことがある人はそういないと思いますが、だいたいこの表現で共通の匂いを認識できるのはすごいなぁと思います。

恐山から見えるはガメラーレーダー

禿山の恐山

南を見ると、砂漠のような一面も見せてくれる恐山。植物はほとんど生えないし、生物も少ない。全体的に生気がないので、やはり地獄感が漂います。生物が住めないのはおそらく、ここらへんの水質が酸性だからでしょう。

ところで写真の中央上部に、うっすらとした大きな建物が見えますでしょうか。

ガメラレーダー

拡大するとこれ。これは自衛隊のレーダーで、その形状がガメラの甲羅に似ていることから「ガメラレーダー」と呼ばれています。正式には「J/FPS-5」という名前だそうです。ガメラレーダー周辺は大湊分屯基地になるので、周辺への立ち入りはできません。このレーダーは日本にやってくるミサイルや飛行機を補足してくれます。そのデータに基いて迎撃を行うんですって。つまり、結構すごいし重要なものみたいですね。へー。

雨の中の恐山観光は雰囲気満点!これがベストコンディション

恐山の岩山

なんとも形容し難い。こうやって引いて見るのも素敵だし、1つ1つの石に注目してじーっと見るのも素敵。昔、人は死んだら恐山に行くと言われてました。個人的にはわりと歓迎なので、死後の楽しみができました。

大師堂

奥に見える構造物は、「大師堂」。映画「田園に死す」で言うと、八千草薫と原田芳雄がいたところだと思う。たぶん。そしてここに来ると、雨が降ってきました。昨年は快晴で、霊場と言うよりもリゾート感の方が強かったのですが、天候が荒れてくると、やはり地獄感が増して良い。だいぶ雰囲気がでてきて、写真にも映えてきた気がします。

首なし地蔵

首がない地蔵。首が細いから折れたのか、なにか恨みを持つ者にやられたのか、真相は不明。しかし、恐山まで来て地蔵の首を折ってやろうとは思わんわな。そういえば最近も鳥取の地震で観音様の首折れてたし、やっぱりわりと折れやすいんですね。

サバゲーが捗りそうな岩山

どんどん天候が悪くなってきて、ちらほら雨が降ってきた。ところで「恐山」て、実は山の名前ではなくて、この辺りの山の総称なんです。なのでこの場所の標高はわかりませんが、一番高いところの標高は879mと言われています。この地域もだいたいそのくらいの標高だと思うので、やはり山の天気は変わりやすいのですね。

恐山の空模様と鳥

ああ!この世の果てみたいな!これだよ!俺が求めていた恐山の姿は!

殺風景

「日は暮れて〜鐘は鳴る〜死んだ〜我が子の赤い櫛〜」と歌いたくなる恐山の風景。まるで日本海の海岸のように荒々しいね。

千手観音

石の上にも観音様。よく見ると、肩のところに手がいっぱいついていて心霊写真っぽい。怖い。

千手観音の看板

と思ったら、これ千手観音なんだって。なので観音様の肩にある手は、心霊写真ではなく観音様自身の手らしい。

地獄のような道

恐山には風吹くばかり…。遠くの山や植物がなければ、まさに地獄。さっきから散々地獄地獄言ってますが。

別名極楽浜!宇曽利湖で生に思いを馳せる

宇曽利湖

地獄の景色をしばらく行くと極楽浄土の世界が広がります。通称「極楽浜」と呼ばれる宇曽利湖(うぞりこ)と、その向こうにあるのは…なんかの山!

宇曽利湖手前の休憩所など

宇曽利湖前にある休憩場と、東日本大震災の慰霊碑。

極楽浜の人々

それ以上進むとあの世に行っちゃいそう。この宇曽利湖も酸性が強いのでウグイ以外の魚はいません。ちなみに普通の魚を湖に入れると、溶けるそうです…。人間が泳ぐとどうなるんでしょうかね。溶けるのかな…。過去に宇曽利湖で泳いで溺れて死んだ人がいる、とネットには書かれてましたが、事実かどうかはわかりません。事実だとしても、既に溶け…。

雨の中の恐山

そうこうしていると本格的に雨が降ってきたので、休憩場で他の家族と雨宿り。

宇曽利湖と山々

しばらく待機していると晴れてきた。

百裂張り手

東日本大震災の慰霊碑。こ、怖い…。エドモンド本田ばりの百裂張り手。

極楽浜の風車

砂浜にたてられた風車が寂しく回る。

宇曽利湖と風車

ほんとに素敵な景色なんだけど、これで泳げないんだから面白いよね。誘惑に負けて泳ぎに行くと溶けて死んでしまう。なんだかうまいことできてますね。で、風車はわかるけど、その奥に立てられた木の棒はなんなんですかね。

浜辺に積まれた石

1つ積んでは父のため。2つ積んでは母のため。どれだけ石を積んでも、鬼が現れて崩してしまいます。ううう…。それにしても、見事な積み方だ。これ初心者のやることじゃないよ。確実にいるね、猛者が。

土砂降りの六地蔵

そんなこんなでまた土砂降りになったので帰ってきました。ここからはもう降ったり止んだり。こうなってくると気合入れて観光しようと思ってたけど、その気持もだんだん薄れて早く帰りたくなる。

太鼓橋

太鼓橋。なんてことない橋だけど、罪人は渡れないんだそうです。自分には関係ないので、写真を撮ってから渡ろうとするとまた土砂降りになりました。しばらく雨宿りしてみるも、全く止む気配がないので帰りました。まとめると、渡る意思はあったのに、天候に阻まれて渡れませんでした。あれ…俺罪人…?

宇曽利湖の景色

なんだか罪を背負ってしまったので、恐山とはここでお別れです。きっと来年もまた行くので、その時は今年とはまた違う景色を見せてくださいね。

恐山の詳細情報

公式サイト:なし
住所:〒035-0021
青森県むつ市田名部町宇曽利山3−2
電話番号:0175-22-3825
場所:Googleマップで見る

営業時間:6時〜18時
入場料:500円(当日中の再入場可)

備考:都会も地獄