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宝泉寺観音への入り口
宝泉寺観音への入り口。朱色の欄干や橋が立派だよ

先日訪れた国鉄宮原線の「宝泉寺駅」跡。そのすぐ近くに、立派な観音様がいらっしゃるということで、ご挨拶に伺いました。

この辺りは宝泉寺温泉という温泉街で、その昔、空也上人というお坊さんが農家で休ませてもらった際、お礼に杖で地面を突いたら温泉が湧き出た、という伝説が残っています。

で、サンキュー空也というわけで1995年に建立されたのが、「宝泉寺観音」です。

吹き出しアイコン

ウサミミ
ちなみに空也ってのは教科書でお馴染み、口から6対くらいの仏像を吐き出してるお坊さん。

この記事は、そんなありがたい由来を持つ宝泉寺観音を訪れた際の記録です。結論から言うと、高さ15mもあるはずの観音様は木々に覆われてほとんど見えませんでしたが、最高のB級スポットでした。

入口から漂う「B級スポット」の香り

「聖観音像」とだけ書かれた看板
「聖観音像」とだけ書かれた看板

温泉街から観音様へと向かう入口。もうこの時点で、ただならぬ雰囲気が漂っています。明らかに手入れがされていない、自然に還りつつある参道。「これはヤバそうだ」という期待に胸が膨らみます。

少し進むと、巨大な看板が出現。この、寂れ具合と看板のデカさのアンバランス感。思わず笑みがこぼれます。これこれ!

高さ15mの観音様、どこですか?

宝泉寺観音の山門
いないじゃん

期待に満ちてお堂の前に到着。

木々の隙間からうっすら見える大観音
木々の隙間からうっすら見える大観音

事前に得た情報では、このお堂の上に高さ15mの観音様が鎮座しているはず。しかし…見えない。どこにもいない。

木々が生い茂りすぎて、観音様が完全に隠れてしまっています。15mもの巨体が全く見えないとは。自然の力、恐るべし。

御尊顔
御尊顔

なんとか木の隙間からお顔を拝見すると、一応お元気そうなご様子。それが確認できただけでも良しとしましょう。

パッと見た感じ普通の観音様
パッと見た感じ普通の観音様

場所を変えるともうちょいよく見えた。とはいえこの角度からしか全貌を望めないのが悲しいところ。

ドローンで正面から撮影している動画があったので紹介。こちらなら全貌がわかりやすいです。マニアック!

お堂の中
怖い

足元のお堂も、天井の木材が一部ぶら下がっていたりと状態は良くありませんでしたが、中には空也さんや大日如来、その他愉快な仲間たちがしっかり鎮座しており、なかなかの密度の濃い空間でした。

周辺に点在する、作風が安定しない仏像たち

周辺を散策する
周辺には仏像が点在している

観音様本体はよく見えませんでしたが、周辺を散策すると、これまた味わい深い仏像たちが点在しています。

日本の人じゃないでしょう
インバウンド

装飾が煌びやかで、どこかエキゾチック。アルカイックスマイルを浮かべたお姿が特徴的です。

弁財天
全裸演奏は実質レッチリ

中でも私が気に入ったのが、こちらの弁財天(?)。全裸で艶かしく、大変よろしい。

よく見るタイプの仏像
よく見る人

かと思えば、普通のジャパニーズスタイルの如来像もいたりと、いろんなスタイルの仏像さんがいらっしゃいました

腕が取れた仏像
かわいそう!

腕とれてるし!

謎の「樹海」と売店跡

売店があった様子
そら廃墟にもなるよ

さらに散策を続けると、廃墟と化した売店の跡や、「樹海」と書かれた謎の看板も。

この先が樹海エリアなのか…?詳細は全く分かりません。てか森林と樹海の違いってなんだろう。

まとめ:観音様は見えなくても、満足度は高い

観音様を後ろから見る
農機具でも入ってそう(失礼)

というわけで、宝泉寺観音。肝心の観音様はほとんど見えませんでしたが、荒れ果てた参道、統一感のない仏像たち、謎の看板と、B級スポット好きにはたまらない要素が満載でした。

綺麗に整備された観光地も良いですが、たまにはこういう、人の手が離れた場所の空気に触れるのも良いものです。宝泉寺温泉を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてください。

駅跡もあるよ

宝泉寺観音のすぐ近くには、かつて国鉄宮原線が走っていました。そして宝泉寺駅もあったわけです。しかしそんな宮原線は1984年に廃線となりました。ちなみに宝泉寺観音ができたのは1995年なので、駅が廃止されてから大観音を作ったわけです。そこに勝算はあったのか!?そういう問題でもないか!?