記事内に広告を含むことがあります。

桂ヶ谷貯水池堰堤
大正12年生まれ、ワシが桂ヶ谷貯水池堰堤であーる!

山口県山口市の山奥にある、今は使われていない堰堤すなわちダムの話をします。検索結果を見ても「約 8,790 件」しかヒットしないドマイナーな物件です。記事タイトルを見て「お、桂ヶ谷貯水池堰堤と羽根越貯水池堰堤かぁ」と思った人はマジ尊敬します。ちなこれ2019年1月に訪れたときの話な。

激シブ大正レトロダム!桂ヶ谷貯水池堰堤

桂ヶ谷貯水池堰堤への道

桂ヶ谷貯水池堰堤と羽根越貯水池堰堤はどちらも同じような場所にあるのですが、まずは桂ヶ谷貯水池堰堤から紹介していきます。

桂ヶ谷貯水池堰堤は1923年つまり大正時代に建設されたダムで、当然、今はもう使われていません。

100年ものなので残留物こそほとんど残っていませんが、時代を反映させたレトロなデザインから写真映えするスポットで、この日も雪が残る1月某日の午前中という状況にもかかわらず、写真を撮りにきたであろう人とすれ違うことがありました。

桂ヶ谷貯水池堰堤へは山林を歩く

桂ヶ谷貯水池堰堤へは獣道を進みます。先の写真の通り、入り口には案内の看板がありそれに従って進んで行きますが、道中はなんとなく道っぽいものがあるだけで結構心細いルートをしばらく歩きます。

山林から見る桂ヶ谷貯水池堰堤

そうすると見えてくるのがこちら。山の中に立つ大正ロマン風味の建築物には、ジブリ感を感じずにはいれらません。素敵です。

桂ヶ谷貯水池堰堤の様子

全長24mで、高さは13m。近代のダムと比較すると、そのデザインや規模は異なりますが、一般的な重力式コンクリートダムです。

下流側から桂ヶ谷貯水池堰堤を見上げる

下流側。下まで降りられるけど、滑って死にそうだったのでやめる。リスク回避成功。

溜め池側

溜め池側。現在は一応水が貯まらないようになっていますが、降雪の影響もあってか地面はかなりぬかるんでいました。

欄干の素敵なレンガ
見よ!これぞ職人芸、透かし積み!

欄干はレンガが積まれていてこれまた素敵。

レンガの取水塔

取水塔もレンガ積み。なんとも重厚。大正感溢れます。

取水塔内部

残念ながら取水塔には鉄格子が設けられていて、内部に入ることはできません。

ダム上部

素敵な場所でした。2016年には有形文化財にも登録されたそうです。良かったね。

はい、桂ヶ谷貯水池堰堤終わり。

その姿をそのまま残すことができなかった羽根越貯水池堰堤

羽根越貯水池堰堤への道

続けて羽根越貯水池堰堤。こちらは桂ヶ谷貯水池堰堤への入り口から分岐して1km程度歩きます。まぁ大きな車でなければ車でアクセスできないこともないと思います。っていうか熊出没注意とか、獣用の罠がありますとかの看板があったので、丸腰だとちょっと危険かも。

羽根越貯水池堰堤を遠くから見る

さて辿り着きました。以前は未舗装でアクセス困難だったようですが、現在はご覧の通り周辺が整備されており、容易にたどり着けます。

この羽根越貯水池堰堤は1928年に建設されたのでギリ昭和生まれ。それでももう100年近く前の建築物なのですが。

羽根越貯水池堰堤の正面
羽根越貯水池堰堤も頑張れば上部まで行けるらしいが…

そしてご覧の通り、取水塔があったであろう中央部分が綺麗に切り取られて、もはやダムとしての機能は一切失われています。

残念ながら数年前にこのような改修工事が行われてしまったようです。まぁ既に管理していないダムながら水が溜まってしまうのを防ぐため、一部を取り崩すしかなかったのでしょう。

改修された羽根越貯水池堰堤
和洋折衷ならぬ、新古折衷

そんなわけでこちらは見所も少なく。また、欄干部分や取水塔も、桂ヶ谷貯水池堰堤とは違って全てコンクリート製だったそうです。

調べてみた限り文化財にも登録されておらず、同じ時代に活躍した桂ヶ谷貯水池堰堤と羽根越貯水池堰堤でしたがその明暗ははっきり分かれてしまったようです。

この記事の撮影機材
カメラ1:RX100M3
カメラ2:GoPro HERO7 Black

桂ヶ谷貯水池堰堤の詳細情報

公式サイト:なし
住所:〒754-0001 山口県山口市小郡上郷2785
電話番号:なし
場所:Googleマップで見る

営業時間:いつでも
入場料:なし
駐車場:なし

備考:レトロ建築をもっとうまく褒めることができるだけの語彙力が欲しい

俺はダム好きだぜ

ダム、素敵ですよね。その雄大さ、そしてメガストラクチャー感。「ダムマニア」という一つのジャンルが確立されていることも納得です。

当サイトでもダムを見学した際の様子を記した記事があります。ダムに惹かれたあなた、ぜひこちらの記事もご覧ください。